図書館への道の途中にある古アパート、私の新しい事務所に決まったようだ。
この図書館途中古アパートは、今あわてて借りなくても前から空室があった。
この先、満室になることもない、ような気もする(←失礼!)。
ぜんぜん急ぐ必要はなかったはずだ。
もともとは、前から気になっていた別の古アパートが値下げしたことから始まった。
その古アパートがあまりに残念だった勢いで、図書館途中古アパートを見に行った。
そしていろいろあって気に入って(?)、勢いを緩めることなく決めてしまった。
今の事務所だって、それなりに気に入ってたはずなのにな。
何で、こんなにあせっていたのかな。
今の事務所は賃貸マンション。しょせん借り物、人のもの
今の私の事務所は、駅の近くに建つ鉄筋コンクリート造りのワンルームマンションだ。
そんなに新しいマンションではないが、それでも平成に建てられたものだ。
きちんと管理されてるし、定期的に補修なんかもしていよう。
何の根拠もないが、私の寿命が尽きても存在し続けるだろう。
当たり前だがこの事務所は借り物だ。
私はいつか、ここを出ることになる。
だからいつか、返さなきゃいけない。
心の片隅で、そうずっと思っていたような気がする。
汚してはいけない。
傷なんかつけてはいけない。
他の住人に迷惑をかけちゃいけない・・・
おかしいな。
むかし若い頃に何件か賃貸物件に住んでいたけど、そんなこと感じたことなかったぞ。
それなのに、今のワンルームマンション事務所の「借り物感」が拭えないのはなぜだ?
無理して借りてるから? 住んでいないことが後ろめたいから?
拭いきれない借り物感、他人のものという居心地の悪さ。
高い家賃を「2年間」という縛りで借りているからかもしれない。
稼げなければ、来年いっぱいで出ていくって決めてるからなのか。
まだある。
わかっていたことだが、私以外の住人はふつうにちゃんと住んでいるようだ。
そんな生活してるみなさんと、廊下ですれ違うのはなぜか後ろめたい。
朝にフラリとやってきて、夕方帰ることが申し訳ない気分だ。
不動産屋さんには、ちゃんと「セカンドハウスに使います」と言って借りた。
だから堂々としてればいいのだが、どうもそんな気になれない。
敷金礼金保証金なし、解約違約金に退去費用というプレッシャー
若い頃借りていた賃貸物件と、契約方法が違うせいかもしれない。
昭和の時代から平成の初めにかけては、高額の敷金礼金保証金が当たり前だった。
安くても家賃3か月分で、よくあったのは6か月分くらいだったと記憶している。
呼び方は違えど、払ったお金が返ってこないのはどれも同じ。
補修費用だ何だかんだ言われて、1円たりとも戻ってきたことはない。
そういうものだと思ってた。
しかし今は違う。
今のマンション事務所は敷金礼金保証金なしだけど、解約するときが違う。
退去費用を払わなくちゃいけないし、短期解約違約金なんてものまである。
そのうえ汚れや傷があれば、追加費用も請求すると言われている。
昔だったら、敷金や保証金で充当されていたはずだ。
退去時にお金が返ってきたことはないが、追加で払ったこともない。
どうせ必要になるなら、先に払っておいた方が気楽なんだがな。
古アパートは「私の事務所」という気がした。気のせいかな?
新しい事務所となる予定の古アパートは、古い。
きっと昭和の生まれ、私とたいして歳は変わらないんじゃないかな。
周辺では古い建物が次々取り壊されて、どんどん街が新しくなっていってる。
勝手な想像だが、古アパートよりは私の方が長生きしそうだ。
ということで、今度借りる部屋は私が最後の入居者かもしれない。
私の事務所、と心から思える気がする。
気のせいかもしれないけどな。