今朝もいつものように、事務所へ出勤しました。
事務所があるマンションでいつものようにエレベーターを降りると、大家さんらしき人から声をかけられた。
本当に大家さんかどうかは知らない。
鍵の束を持って入り口近くにいるのを見かけるし、ときどき掃除もしている。
自らすすんで廊下やマンションの周りまで掃除する住人は、なかなかいない。
「今、お帰りですか? 」
時間は朝の9時前、革靴に会社員らしい黒のコート、これまた会社員らしい黒のカバンを持った私はどこからどう見ても通勤途中。
部屋へと向かう私は、帰宅している最中に見えるのだろう。
こんなとき、私は否定しない。
「はい。」と返事をして、軽く会釈する。
個人事業主としての私が事務所に戻ってきたのだ、帰ってきたと言えなくもない。
だれに言い訳するでもないが、私の中で私はウソつきではないと弁解しておこう。
「お仕事おつかれさまでした。」
ここまで言われたら、私も返事できない。
マスク越しで伝わらないかもしれないが、笑顔でまた軽く会釈を返し部屋へ入った。
帰るときには「行ってらっしゃい。」って、言われたな
そういえば昨年、帰るときに声をかけられたこともあった。
夕方5時前、これまたどこから見てもサラリーマンの通勤姿の私に声をかけてくれた。
「今からお仕事ですか? 行ってらっしゃいませ。」
私はどうしたっけ。
たぶん私のことだ、笑顔を浮かべて軽く会釈をしたことだろう。
そうか、私は夕方5時前に家を出て、翌朝9時に戻ってくる夜勤のサラリーマンだと思われているようだ。
通勤時間が1時間として、18時始業の翌朝7時半終業といったところか。
けっこうなハードワークだな、ってどうでもいいな。
この事務所(←ワンルームマンションね)を借りるときに、テレワークや書斎などのセカンドハウスに使いますって不動産屋さんにはっきり言ったぞ。
その条件で借りてるはずだ。
大家さんに伝わってないじゃないか!
何が困るわけでもないから、まあいいか。
なるほど平日昼間は静かだし、土日姿を見せないのは寝てるのか
なるほどなるほど。
平日、事務所の中の私は静かだ。
ほぼ机に座ってパソコンを叩いている。
テレビの音もしないし、昼寝のときに小さく音楽を流すくらいだ。
昼食や買い物に出かける以外は、ぐっすり寝てると思われてるのだろう。
土日にまったく姿を見せないのはどういうわけだ?
平日の激務で疲れはてて、死んだように眠ってるのだろうか。
それとも泊まり勤務か、遠くへ出稼ぎに行ってるのだろうか。
どう思われてるんだろう、ってそれこそどうでもいいな。
このまま事務所として使いますとは、言い出しにくくなったな
テレワーク用の書斎(セカンドハウス)として部屋を借りて、
礼儀正しく静かでまじめな住人として大家さんの信頼を得て、
そしてそのままずっと事務所として使い続けてもいいですよ。
・・・という、私のプランのひとつはすでに暗礁に乗り上げつつあるようだ。
月4万円の家賃は私にはぜいたくだから、まあいいかな。
でもこの事務所、気に入ってきたから惜しいのは惜しい。
私の事務所についての苦悩は、まだまだ続きそうだ。
そろそろ春だから、不動産市場が盛り上がるかな?