今朝は、以前から借りている今の事務所の方へ出勤しました。
いらないものを整理して、少しずつ新事務所の方へ持っていくつもり。
先週は今の事務所と新しい事務所とを行ったり来たりしたせいで、疲れていたようだ。
軽く寝坊したのもあって、少し遅れ気味に事務所であるワンルームマンションに到着。
事務所は9時半始まりだからギリギリに行ってもいいのだが、いつもは9時過ぎには入る。
それより遅くなることは、できるだけ避けてきた。
何とか間に合ってくれ、イヤ終わった後でもいいぞ。
そんな私をあざ笑うかのように、やっぱり鉢合わせしてしまった。
「おはようございます、大家さん」
働き者の大家さんのおかげで小ぎれいな、いいマンション
朝、大家さんに会ってしまった。
このワンルームマンションの大家さんは働き者だ。
廊下を掃いたり、高齢の住人のケアをしている場面を何度も見ている。
玄関の近くで、ゴミの分別や整理整頓を一生懸命やっている。
郵便受けを、拭いている姿を見たこともある。
だいたいは住民が出勤した後、9時半近くだ。
ひょっとして毎日やってるんですか?
毎日やってるのかどうかは謎だが、このマンションは築年数の割には小ぎれいなのは確かだ。
「今お帰りですか?」に「いえ、来たところです」と返事をした
人付き合いの苦手な私としては、できるだけ人に会いたくない。
このワンルームマンションの住人はもちろんだが、当然大家さんにもだ。
特に大家さんには、正体不明の夜勤サラリーマンだと思われているフシがある。
だから、朝の出勤時には特に会いたくなかったのに・・・。
挨拶して通り過ぎたい私の前に、オートロックが立ちはだかる。
動揺してるのか、もたつきながら開錠する私に、何か声をかけねばとでも思ったのだろうか。
「今お帰りですか?」
やはり私を夜勤のサラリーマンだとでも思っているようだ。
こんな朝にスーツ姿でマンションにやってくるから仕方がないけど、頼むよ不動産屋さん。
「セカンドハウスに使う」って、大家さんに伝えてくれてないじゃないか。
私はサラリと平気でウソをつける人間だが、基本的にはバカ正直だ。
「いえ、今来たところです。」
動揺してしまったじゃないか。セカンドルームってなんだ?
ふしぎそうな顔をする大家さん。
何回か会っているので借主というのは、たぶんバレている。
借主が「今来たところ」とは何事だ?という顔をしている。
動揺する私。
「セカンドルームに使っているんですよ」
おいおい、それを言うならセカンド「ハウス」だろう。
大家さんはどう思ったか知らないが、大人の応対をしてくれたと思う。
「ああそうでしたか、今後ともよろしくお願いします」
いい大家さんだ。
そして、いいマンションだ。
来月には解約を申し込むつもりの、私の胸が痛む。
そんないいマンションが、苦手な私が変なのだろうな
いい大家さん。
そんなに新しくはないけれど、掃除の行き届いた小ぎれいなマンション。
必要とあらば個々にケアまでしてくれる、たぶん借主にやさしい住まい。
そんな、いい大家さんといいマンションが私は苦手なのだから、われながら情けない。
普通の人なら喜びそうな、やさしさや人付き合いが苦手だ。
お店でも何でも、店員さんとかと顔見知りになりたくない。
店員さんが私の顔を覚えたら、たぶん私は行く店を変える。
この大家さんなら面倒見は良さそうだし、無理も聞いてくれそうだ。
セカンドハウスの傍ら事務所に使いたいとお願いすれば、OKしてくれるかもしれない。
「事務所にも使ってるんですか? いいですよ、好きなように使ってください」
なんて言ってくれるかもしれない。
でも、私はお願いすらしないどころか、他に新しい事務所を借りてしまった。
いつか後悔するかもだな。