となり街にある、なぞのマンションを見に行った帰り道。
まっすぐ事務所には帰らずに、立ち寄ったところがある。
それは前から一度は見たかった、バーチャルオフィス&レンタルオフィスというもの。
なぞだった2万円マンションから、ひと駅のところにそこはある。
私の住んでいる所からは遠いので、いつかは見たいと思っていた。
私の住む市にもレンタルオフィスはいくつかあるが、どこもふつうのビルの中。
気軽にのぞきには行けない。
しかしそこは、ショッピングセンターとつながっている。
設備もいいし、価格も手ごろ。
毎日、行く所が欲しい今の私には、バーチャルオフィスは選択肢にない。
将来、事務所が維持できなくなったときのために、見ておきたかった。
もし借りるとしたら、ここが候補のひとつだ。
人付き合いの苦手な私のことだ。
もちろん見学予約などはしていない。
1日利用や時間単位の利用もできるようなので、良さげだったらチャレンジしてみようという気も少しだけあった。
まず無理だろうが。
バーチャルオフィスとは? 共用スペースってどうなの?
バーチャルオフィスというのは、簡単に言えば住所だけ。
レンタルオフィスなら、それにプラスして共用仕事スペースや専用スペースが付く。
専用スペースまで借りると、何だかんだで3万円はかかる。
2万円事務所をいくつか知っている私にとっては問題外だ。
バーチャルオフィスで住所だけ借りることになれば、自宅作業をすることになる。
独立開業したフリをして、毎日事務所に通えなくなる。
それは避けたい。
共用スペースを使うという選択肢が、許せるギリギリのところだ。
さっそく見に行こう。
ショッピングセンターから迷い込んだふりをして、目指すレンタルオフィスへと向かった。
入り口には看板が10個ほど。社労士もひとつあるな
このバーチャルオフィス(&レンタルオフィス)、お金を払えば入り口に看板を出せる。
おお、10個ほど金看板(金色のプレート)があるじゃないか。
社労士事務所もひとつあるぞ。
私と似たような考えのやつがいるな。
(一緒にするな!と怒られそうだが・・・ごめんなさい。)
ガラス張りの部屋。平日昼間におっさんが3人
入り口に向かう廊下から、中の様子がうかがえる。
何とガラス張りの部屋で、机がずらり。
50席はあっただろうか(←うろ覚え)。
ぽつりぽつり、おっさんが座っていた。
「おっさん」という呼び方から想像してはいけない。
デザイナー風か、おしゃれ自営業風の「仕事ができる」という雰囲気の中年男性だ。
わりと広い室内で、互いに離れてノートパソコンを叩いていた。
ガラガラなのに隣に座られたら、そりゃあイヤだろう。
バーカウンターでお姉さんがコーヒーを淹れていた(かも?)
ガラス張りの広い室内の隅に、バーカウンターのようなものがあり、その中で制服を着たお姉さんがコーヒーを淹れているような様子だった。
制服だと思ったのは、二人いたから。
白いシャツに黒いベストという制服っぽい私服が、二人たまたまダブることはあるまい。
そのカウンターの横の扉に「受け付けはこちら」と書いてあったから、事務受付もここでするのだろう。
飛び込みでの時間利用なら、たぶんここからお姉さんに声をかけるのだろう。
もちろん私は入れない。立ち止まることも許されない
入れないのはもちろん、下手に立ち止まるわけにもいかない。
「どのようなご用件でしょうか」なんて、話しかけられるわけにはいかない。
たまたま迷い込んで「へぇ~、こんなところもあるんだ」という表情を見せながら、物珍しそうに眺めるだけだ。
「ご自由にどうぞ」と書かれたパンフレットを、見つからないようにサッと取り上げ、早々に立ち去ることにする。
レンタルオフィス(共用スペース)は、私の来るところではない
明るい、清潔、まじめ、真剣・・・。
こんなところ、入れるわけがない。
ガラス張り&通行人から丸見え。
それなら喫茶店や、どこかのオープンスペースと変わらないじゃないか。
なしなし!
自慢じゃないが、私は人目が気になる。
喫茶店とかで、仕事をすることもない。
バーチャルオフィスやレンタルオフィスを借りるくらいなら、
古アパートや、
倉庫募集の古民家、
僻地のマンションあたりを借りるよ!