先日、むかし住んでいた木造アパートが取り壊されたという話を書いた。
今回、新事務所に古アパートを選んで思い出したわけだ。
もうすぐ40年が経とうとしている昭和50年代の終わり頃の話だ。
そのときすでに古いアパートだったから、取り壊されるのも無理はない。
私は、その取り壊された木造アパートを皮切りに、今住んでいるマンションを購入するまでに5件の賃貸アパートや賃貸マンションを移り住んだ。
今、どうなってるんだろう。
どうせヒマだし、Googleマップで旅してみよう。
実際行くわけじゃないから、タダだしね。
4件目は〇、5件目×で一勝一敗。問題は古い3件だ
私は大学を卒業して、就職したときに今住んでる街にやってきた。
この街で4件目と5件目の賃貸マンションを借りたから、その2件のその後は知っている。
4件目は就職が決まった私が気持ちが大きくなって借りた、当時新築ワンルームマンション。
まだ30年とちょっとだから、もちろん元気に普通に建っている。
鉄筋コンクリート造りの、しっかりしたしゃれたマンションだ。
この街の賃貸物件は、事務所探しでチェックしてたから家賃も知っている。
なんと、私が住んでいた新築のときと同じ家賃という強気の設定。
それでいて空室が出るとすぐ埋まるから、人気のマンションのようだ。
さすが私だ、お目が高い。
しかし、その高額家賃に耐え切れず、5件目の古マンションに移ることになる。
ワンルームマンション事務所の家賃に耐え切れず、古アパート事務所に移る今と同じか。
30年経っても何の進歩もないな、私は・・・。
それはそうと、この5件目の古マンションは鉄骨造り。
有名チェーンの不動産屋さんでは扱いがなく、駅前の古びた不動産屋さんの店頭で見つけた。
当時はネットの賃貸情報などはなく有料の賃貸物件情報誌が売られていたが、もちろん掲載されるような物件ではない。
時代は平成に入っていたというのに、お風呂を沸かすためにいちいち外に出て点火・消火しなければならなかった。
昭和育ちの私でも、初めて見るお風呂システムに笑ってしまったのを覚えている。
私がマンションを購入して、退去してから数年後に取り壊された。
今はもう、その姿はない。
時の流れは残酷だった。30数年で、街の景色が変わってた
と、ここまでは一勝一敗。
残る3件は大学生のころ住んでいた街だ。
Googleマップで旅に出る。
すでに1件目の木造アパートが取り壊されているのは知っている。
2件目は大通り沿いの木造アパート。
大通り沿いだから期待してなかったが、予想通り当たり前にない。
街の景色が変わりすぎていて正確な場所は特定できないが、ないことだけは間違いない。
3件目、こちらは住宅街の中の鉄骨造りのアパート。
当時から古かったから、ここもあんまり期待はしていない。
ええっと、たしか大通りからこの辺の道を曲がって・・・。
30年の月日とは残酷なものだ。
酒屋さん、銭湯、定食屋さんに駐車場・・・、目印だったすべてのものが、すでにない。
時々車を止めていた電柱前のブロック塀・・・。
どこを探しても、ブロック塀自体ないぞ。
もう1本先の道だったっけ?
まったく記憶にない通りを、「ストリートビュー」で手あたり次第に進む。
住所的にこの辺なのだが、・・・すでに取り壊されてないのかな?
そういうことにしておこうかな。
見たくなかった悲しい姿。1勝4敗の戦績と新事務所の先行き不安
あきらめかけた、そのときだった。
2階建て住宅が並ぶ先に、見おぼえのある3階建ての建物。
たしかに見たことあるぞ、記憶の底で何かが動く。
近所の何かか? となりだったっけ? いや、もしかして・・・
ここだ、あった!
へ~っ、当時からそんなに新しくなかったのに、まだあるんだ。
懐かしいな、そうだそうだ、こんな建物だったな。
入り口にアパートの看板があったはずだ。
2、3歩進んで(←Googleマップでね)、入り口付近へ・・・なんか変だな。
看板は、あった。
雑草が高く伸びて邪魔だが、いちおう読める。
雑草・・・。
土地全体に雑草が生い茂り、入り口をふさいでいる。
ここは住人が自転車を止めていたはずだが、もちろん1台もない。
建物を見上げてクローズアップ。
何件かは網戸が外れ、窓にはカーテンもなく洗濯物や人の気配はない。
・・・もう人は住んでいないようだ。
結局、私が住んでいた賃貸物件5件のうち、元気だったのは1件だけだった。
Googleマップで思い出巡り・・・と、しゃれこんだものの残念な結果だった。
今度借りる私の古アパート事務所、いつまで元気でいるんだろうな。